- 第28回大会を静岡でお待ちしています。 植村太郎(神戸労災病院・精神科)
広報委員長 吉川悟
このたびの東北地方太平洋沖地震によって被災された皆さまに対して、心よりお見舞い申しあげます。被災された皆さまには、大変困難な状況におられることと思い、心が痛みます。
今回の震災は、多くの方が日常的な活動に従事されていた時間帯だったため、それぞれの場所で被災し、共に生活していた家族の安否すらわからないご家庭がまだまだたくさんあります。私たちは、日ごろ、今日も明日も明後日も変わらない日常が続くと思って生活しています。しかし、その日常が自然の力によってこんなにも簡単に失われることに、被災された方々だけではなく、日本中が声を失っています。
まだまだ物資が届かぬ中、被災者の方々のために、たくさんの都道府県が避難所を提供しています。そして、メディアでは「心のケア」という言葉も出始めているようです。日本家族研究・家族療法学会でも、阪神淡路大震災の時と同様に、出来ることはないかと考え始めています。
被災された方々が欲しい「心のケア」とは何でしょうか。それは、専門家である私たちが考える「心のケア」と同じでしょうか。答えは今すぐ出せるものではないと思いますが、「被災者の方々の望んでおられる支援」に少しでも近づけるよう考えることが必要だと思います。
今回のニュースレターは、今回の被災地の先生方にもお願いをしていました。その意味で内容が伴わないことも多く、事務局で割愛させていただくという判断をさせていただき、第28回大会のご案内だけを掲載させていただくこととしました。ご容赦下さい。
被災地におかれましては、行方不明の方々が一刻も早く救出されることを、心より念じるとともに、被災地救援に全力を尽くされている関係者に深く感謝申しあげます。
第28回大会を静岡でお待ちしています。
吉実行委員長 平岡篤武
(静岡県健康福祉部こども家庭課)
中村会長から第28回大会を静岡で開催することを急遽直々に依頼され、どうお断りしようか思案したのは平成21年の暮れも押し迫った頃のように記憶しています。そのままずるずるとお断りできず、浜松医科大学森教授、静岡県こころの医療センター村上直人先生、静岡大学の笠井仁先生のご尽力を頼りに、清水の舞台から飛び降りる気持ちでお引き受けしてしまいました。あっという間に開催3ヶ月前となり、評議員皆様のご協力を賜りながら、何とか演題が揃い、抄録、プログラムの編集に右往左往している現在です。
今回の大会テーマは、家族療法実践の裾野を拡げる分野である社会的養護における「家族再生を支えあう実践」です。少子高齢化社会を迎え、社会生活の基盤である経済の先行き不透明感に対する国民の不安は増大し、子どもや家族に関する諸問題を支援するにあたり、貧困問題を視野に入れる重要性が叫ばれています。このような中、悪循環に陥った家族への支援を目指す者にとって、子ども虐待で象徴される社会的養護の分野は、生活支援、個人ケア、リスク管理、システム支援を通して家族が安全な距離をとるための多様なアプローチの集積ではないでしょうか。この機会に様々な分野における実践を持ち寄り、困難なジャンルへの挑戦をエンパワーできたら、と考えております。
日程等は下記のとおりです。スタッフ一同拙いながらも、大歓迎の気持ちでお迎えしたいと考えておりますので是非ご参加ください。ご遠方の皆様は静岡空港をご利用していただきますと、きっと富士山を上空から堪能できることと思います。
詳しくは、大会HP【http://www.wdc-jp.biz/jaft/conf2011/】をご覧ください。
◆日程:平成23年6月3日(金)~5日(日)
◆会場:静岡県コンベンションアーツセンター/グランシップ
〒422-8005 静岡市駿河区池田79-4(JR東静岡駅南口徒歩3分)TEL 054-203-5710(代表)
◆プログラム
6月3日(金)学術大会:
一般演題,ランチョンセミナー(広汎性発達障害-研究・治療の最前線-中村和彦),基調講演(社会的養護における家族支援 村瀬嘉代子),大会企画シンポジウムⅠ,交流会
6月4日(土)学術大会:
大会企画シンポジウムⅡ,総会,臨床報告,自主シンポジウム
6月5日(日)ワークショップ:
(1)家族療法入門(2)児童虐待と家族支援-サインズ・オブ・セイフティ-(3)広汎性発達障害への新しい家族支援プログラム-RDIの理論と実際-(4)青年期ひきこもりケースの家族支援(5)家族看護における家族支援-複数の課題を抱える家族への支援-(6)高齢者家族の理解と支援(7)学校システムへの危機介入(8)感情調節困難な方とその家族の支援-弁証法的行動療法、家族スキルグループから学ぶこと-(9)緩和ケアにおける家族支援