Japan Association Family Therapy

News Letter No.79 (2015/08/26)

日本家族研究・家族療法学会第32回東京大会に向けて

第32回大会大会長 岡本吉生(日本女子大学)

30回大会,31回大会と学会設立の温故知新がなされてきました。今回の第32回東京大会では,再び基本に立ち返り,家族の基礎となるカップル関係に焦点を当てることとしました。カップルに関する課題はきわめて日常的な出来事でありながら,日本においては臨床報告にしろ研究成果にしろ,きわめて限定的のように感じております。しかしながら,異性との関係のありかたに悩む若者たちは少なくなく,急速に進む晩婚化は少子化の重要な背景要因のひとつとなっています。結婚生活における役割期待も最近ではどんどん変わりつつあり,ジェンダー・アイデンティティのゆらぎさえ感じます。また,夫婦の破局に傷つくカップルやその子どもたちへの支援,そして再婚や家族の再生といったテーマは,家族療法家が中心となって取り組まなければならない重要な領域です。この,古くて新しいテーマを正面から取り上げることで,32回大会は,会員相互においてはもちろんのこと,カップル問題にかかわりのある関連分野の方々との共通認識を探り,これからの皆様の協働作業の契機となればと考えております。

【日 程】2015年9月4日(金)~6日(日)

【会 場】学校法人日本女子大学目白キャンパス(〒112-8681東京都文京区目白台2-8-1)

【スケジュール】

<9月4日>

基調講演 カップル関係の推移 岡本吉生(大会長/日本女子大学)

特別講演① 恋愛とカップル関係の実証研究 松井 豊(筑波大学)

特別講演② ステップ・ファミリーは「家族」なのか:子ども,親,継親,そしてもうひとりの親…… 野沢慎司(明治学院大学)

大会企画シンポジウム① 日本におけるカップル・セラピーの現状と課題

交流会(日本女子大学七十年館レストラン)

<9月5日>

特別講演③ ステップ・ファミリーの心理的課題 パトリシア・ペーパーナウ(ハーバード大学)

大会企画シンポジウム② 国際結婚とカップル・セラピー

大会企画シンポジウム③ 東日本大震災・原発事故に関わる家族支援,支援者支援:リカバリーの道筋について語りたい

大会企画シンポジウム④ 夫婦が子どもをもつこと

大会企画シンポジウム⑤ 離婚と子ども:子どもを支援する現場から

その他,口頭発表(認定SV付研修事例,調査研究,事例研究),自主シンポジウム

<9月6日>

ワークショップ(10プログラム) ※臨床心理士等の研修ポイントになります。

【第32回大会/JAFT32事務局】

〒112-8681東京都文京区目白台2-8-1日本女子大学カウンセリングセンター

E-mail : jaft32secretariat@gmail.com /大会ホームページ : http://www.jaft32.tokyo/

【第32回東京大会実行委員会】

第32回大会長 岡本吉生(日本女子大学)

企画委員長 中村伸一(中村心理療法研究室)

実行委員長 北島歩美(日本女子大学)

副実行委員長 藪垣 将(国際医療福祉大学大学院)

日本家族研究・家族療法学会第32回東京大会に向けて

第32回大会実行委員長 北島歩美(日本女子大学)

今回の大会テーマはカップルに焦点をあて、様々な角度から取り上げていきます。核家族が多くなってきている昨今、カップルは、経済的、情緒的な両側面で家族の中心的機能を果たすと考えられます。「恋愛、結婚、離婚、再婚…」果たしてその先に何があるのか。 参加される方々がインスパイアされて、それぞれの現場に持ち帰っていただけるましたら、何よりうれしい限りです。

日本女子大学がある目白の地は、都心にある中で、緑の多い落ち着いたところです。近くには椿山荘、雑司ヶ谷など散策できる場所もあります。本大会のシンボルマークでもある桜は本学のモチーフでもあり、桜色は学園カラーでもあります。日本女子大学らしい元気さ、かわいらしさをもって皆様をお迎えできるよう準備しております。

目白の地でお会いできるのを心よりお待ちしております。

真夏の海と陽射しの元で独りっきりで読む本は?

長沼葉月(首都大学東京)

「無人島に持って行きたい1冊」というお題をいただいて、早速面倒な私の頭はぐちゃぐちゃと問いでいっぱいになりました。そもそも「私は何のために無人島に行くのだろうか」。好んで人とアクセスできない環境を選ぶタイプではないので、恐らく不本意な状況下でたどり着いたのが「無人島」。となるとやはり必要なのはサバイバル術、でも無人島で本からサバイバル術を身に着けるのは遅すぎます。「南の島のフローネ」や「十五少年漂流記」の記憶にしたがって適当に生き抜くほうが性に合っているような気がします。大体たどり着いた無人島がどういう場所かも分からないし、何ができるかはその場で手に入る材料から考えたほうがいいかもしれない。そう考えると、次に必要なのは…時間を埋めるものでしょうか。不本意な状況の中でも希望や期待の芽が膨らむような作品。無人島ですからここぞとばかりに仏典とか論語とか読んでみたい気はしますし、「精神の生態学」や「カラマーゾフの兄弟」のように何度呼んでも中座している書籍にトライしてもいいのかもしれません。でもきっと無人島に降り注ぐ真夏の太陽が(無人島に流れ着くような状況は夏に決まっています!)、複雑な脳内活動を停止させてしまうはず。冬の森で迷子になるなら「V.フランクルの書籍をポケットに入れて星空と対話」という妄想も膨らみますが、やはり真夏の海!陽射し!無人島!と三点そろえて考えると難しそうです。というわけで最終的に選んだのは「ダークホルムの闇の君」(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、創元推理文庫)。不本意ながらデ○ズニー風のファンタジーツアーの受け入れをしなければならなくなった魔法使いダーク一家の物語です。あっちでごちゃごちゃこっちでバタバタと振り回され、すれ違い、傷つき大喧嘩を重ねるというやかましい物語なのですが、何度読んでもほろりとします。無人島のような、人と離れた空間にいるときこそ、こういうにぎやかでごちゃごちゃした物語に触れながら、また人と一緒に過ごす面倒さとすばらしさに希望を持ちたいな、と。レスキューされたら人恋しさにボロ泣きしちゃいそうです…。

無人島に持って行きたい一冊

福島県スクールカウンセラー 大平 厚

 無人島と聞いて連想したのは“休み”だった。とは言え、無人島×本というテーマを考えると、無人島にどういう状況で行くことになるのかで手にする本は変わるとも思う。
もし、何かがどうにかなって無人島に流れ着いたとするのなら(…泳げないので無理だと思うが…)、持っている本は普段カバンに入っている専門書になる。その場合、どの本も学ぶことが尽きないが、“読む→自分の臨床を連想→ヘコむ→次どうするか考える”というパターンにハマるだろう。それは楽しいことではあるが…いや、今回の無人島は“休みたい‼”。なので、流れ着いたのではなく「無人島行ってきます‼この本持っていってのんびり読みます‼‼」という状況での一冊を考えてみた。

そんな感じで無人島に“持っていく”本として浮かんだのは、サン=テグジュペリの[人間の土地]だった。この本では“飛行士”に焦点を当てた物語が、詩的な表現を帯びつつ書き綴られている。しかし、砂漠での遭難など危機的な状況下での登場人物の様々な気持ちや行動が描かれ、難しい本ではないとは思うがその内容は濃い、とにかく濃い。
当たり前の大切さや、社会人として生きること、家族への愛なども描かれ、その一つひとつが何かを考えるきっかけをくれる。
それは、まだ空を飛ぶ乗り物が安全とは言い切れなかった時代に、実際に飛行士として従事していた(そして空に消えた)著者の生きざまが、読者に語りかけられる様々なメッセージとなってあらわれ、リアルな息づかいとある種の迫力を物語に与えているからかもしれない。また、ジブリの宮崎駿監督が書いているあとがきも、本編と同じように何かを受け取り考えるタネになると思う。
星の王子様と違い[人間の土地]はマイナーかもしれないが、時間がのんびり過ぎて(勝手な妄想だが)青い空に飛行機雲がかかっていそうな無人島には合っていると思う。

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